Concept

 

鉄は朽ちればやがては土に還る。
そのサイクルからは、日常で目にする姿とはまた別に自然界という大きな括りの中で私たちとの密接な関係性がみえてくる。

森に入れば無数の落ち葉で土壌が埋め尽くされている。樹木は生命の維持のため葉を落とし、堆積した枝葉は枯れて朽ち、
やがて腐葉土となってまた森の栄養となる。土壌の微生物や有機酸により腐植する中で鉄は重要な養分となり、森から川へ
海へそこにいる生き物たちへと循環していく。その循環は私たちの身体にも巡る。自然循環という大きなサイクルの中で
あらゆる形で生命を支え、素材である前に自然物として人々の生きる環境をつくっている。

豊かな森は豊かな海をつくる。考えればあたり前の様でシンプルな関係に思えるが、あらゆる条件が揃わなければ成り立たない。
そこには目に見えないものの作用が多く働き、様々な命が支え合いまたその中で生かされている事を知る。

生命について考える。その普遍的なテーマを根底にこの作品では鉄という素材を一つの入口とし、人と素材、それは人と自然
という関係性に繋がる事を伝えている。